丹羽 正人さん

丹羽 正人さん

これまでの業務経験(キャリア)

私は平成6年度に入社し、知多事業所機械課タービングループに配属されました。 この当時、知多火力発電所は中部電力の火力発電所の横綱と称され、定期点検工事が年間を通してほぼ隙間なく計画されていました。 多い時には、3台の発電ユニットが同時に点検されることもありました。 そんな多忙極まりない現場でしたが、ベテランから若手の先輩までが、監督として現場を見事にコントロールしていました。 設備に対する知識も深く、協力会社からも絶大な信頼を得ていました。 そんなすごい(見た目もパンチパーマですごい人が多かった・・・)先輩方から、時には厳しく、時には優しく指導していただきました。 私が担当していた機器は、この頃から中部電力で採用され始めた最新鋭のガスタービンでした。 最新鋭の機器という事で、分解から組み立てまで、まだ確固たる施工方法が決まっていない中を先輩や協力会社の方々と共にアイデアを出し合い、 時には夜中まで作業し、無事定期点検を乗り越えました。 苦労して組み上げたガスタービンが試運転で無事に回った時の何とも言えない達成感は、今でも忘れられません。

その後、知多事業所からメンテナンス技術部(当時の直営技術部 機械)に配属されました。 この部署は、直接自らが手を出し点検施工を行う部署です。機器装置を見て、触り、感じる。 協力会社と同じ立場で機器に思う存分触れ、作業することが許される唯一の部署なのです。 当然、自ら作業するため常に危険とは隣り合わせです。直営の現場作業は、協力会社の見本であり、甘えは許されません。 現場監督から、「品質・安全面で直営がルールを守らなければ、同じ社員の俺たち(監督)が協力会社に対して指導できるか?」 と厳しく言われ、反論できなかった事を覚えています。 それだけ注目され、良い意味でのプレッシャーの中、直営作業をさせていただけたことに感謝しています。 直営のメリットは、機器の詳細な構造、分解組立のポイント、品質管理や自分自身および一緒に作業をしている 仲間を守る安全意識など直営だからこそ得ることができるものが多くあります。 これらを活かすために、新しい機器の初回定期点検に従事することが多く、記録用紙や要領書の整備、 治工具の考案など事業所をサポートする役割も担っています。 また、ガスタービンのメーカー指導員として海外業務に従事する機会もいただきました。 私が従事した海外業務は、メーカー指導員とは名ばかりで、実際には現地ワーカーと共に作業しながら現場を進めていく必要があり、 まさに直営経験を全て活かさなければならない状況でした。 言葉の壁は、作業をやって見せることで何とか意思疎通できました。 海外業務は、日本では味わえない達成感を得ることができます。

現在の所属は、経営戦略本部 事業戦略部です。今まで20年間の現場業務から一転、本店勤務です。 現在は、新規事業の発掘から事業化検討と事業への具体化準備、海外事業に向けた取組みに従事しています。

現在携わっている分野や職種

私が携わっている業務は、新規事業の発掘やその事業性評価、海外事業に向けた取組みです。 新規事業を始めるには、その事業への投資や運用資金が必要です。 事業性評価は、それを基に「人、モノ、金、」さらに「思い」も含め事業を運用できるか、 投資金を何年で回収できるかなどを当社の投資ガイドラインを基に判断します。 評価は、事業の規模や関係部署が多くなればなるほど、評価要素が増えて複雑になっていきます。 最終的には、社内の投資ガイドラインをクリアし、運用していく体制など総合的に進めることができると判断されれば、経営層に提案します。 経営層はこれを基に議論し最終判断するので、てきとうなものは提供できないプレッシャーが伴いますが、 無事その事業を進める判断が下され、事業が開始した時は大きな達成感を得られます。 事業の運用開始後は、事業性評価を定期的に実施し、当初の計画通り進められているか、どこか問題が生じていないかを確認します。 今後も、経営層に対し確実な情報提供の一助になるよう努めたいと思います。

次に海外事業に向けた取組みの一つとして、私が担当した経産省の事業である海外インターンシップ参画について紹介します。 これは外国人インターンを当社に受入れ、インターンが就労体験を通じてスキルアップを図る事で、母国で活躍できるインターンの人材育成を目指すものです。 昨年、タイ人のインターンを3カ月間受入れました。 彼は、タイ語と英語しか話せなかったため、コミュニケーションは英語です。 私の英会話は、中学生レベル以下なので、受入れ開始から1週間は、うまくコミュニケーションがとれず悩みました。 しかし、悩んでも仕方ない!話せないと恥ずかしいという変なプライドは捨て、伝えたい単語だけを話すことから始めました。 単語と思いで何とか伝えることができると感じた途端、インターンとのコミュニケーションがスムーズにでき、英会話の勉強も苦にならなくなりました。 このインターンシップは、当部署だけで終わらせることなく他部署にも協力をいただき、 多くの社員にインターンと接することで英会話によるコミュニケーション力の必要性や文化・商慣習の違いなどを肌で感じてもらう事ができました。 社内の業務を英語で行う機会は無く、非常に刺激となるという声を今回の関係者からも聞いています。 そして、インターンのスキルと当社事業の関係性を構築できれば、5年後、10年後にインターンと何か協働事業する機会があると考えています。

この事業戦略部は会社経営のスタッフという位置付けですが、私自身まだ視野が狭く勉強不足を痛感しています。 今後も個人的なスキルアップとそのスキルを活かし業務へ取組んでいきたいと思います。 中部プラントサービスは多種多様な業務があり、どんな業務でも個人的にスキルアップできるものがあり、 そして、それぞれの業務で得た知識や経験は、異なる業務でも必ず何か活かせるものがあります。

現在の仕事の魅力

入社して今年で22年目になります。知多事業所の5年間は監督としての現場管理の難しさを学び、 メンテナンス技術部の15年間は自らが品質安全を徹底して現場作業を行う責任感を学び、現在の事業戦略部は、 経営層のスタッフとして緊張感をもって業務に従事しています。 中部プラントサービスの業務(特に現場)は、多くの人・部署・会社が関連し合い、日々刻々と状況が変化する刺激があります。 機器の保全を中心とした業務ですが、ロボットがするわけでなく人が必ず係わるため、統率力、調整力、判断力などがおのずと身についていきます。 そして、これらの力は形は違ってもどんな業務でも必要だと感じています。

今まで、失敗が無かったとはお世辞にも言えません。(多い方かも?) 失敗した時こそ「ありがとうございます」と言っています。 うまくいった時は、正直あまり覚えていないものです。失敗した時は、何が原因で、結果どうなるのか。 その対策は何をすればよいのか。 大切なポイントが整理されるので、よく覚えています。また、失敗したことは、周囲にも的確に思いを込めて注意もできます。

これからも何事も失敗を恐れず「キラリの技、ホットな心」を胸に、積極的にチャレンジしていきたい。 入社して20年以上経ちますが、何よりも経験に勝るものはないと改めて痛感しています。