中部プラントサービスの取り組み
第16回 人の力、人の絆が支えるバイオマス発電所建設

最新の設備が並ぶバイオマス発電所の建設現場で、中部プラントサービスのスタッフが活躍しています。今回は、未来のエネルギーをつくり、人々の安全で豊かな暮らしを支えるバイオマス発電所の建設にまい進する、鈴木さんと角谷(すみや)さんにお話を伺いました。

豊富なメンテナンスの経験と先人の知識。その蓄積が、未来をつくる

町から少し離れた各地で建設が進むバイオマス発電所。その建設現場で鈴木さんと角谷さんは現場監督・施工管理者として働いています。
鈴木さんは、19年以上火力発電所のメンテナンスに携わった上で、バイオマス発電所の建設の分野へと進んだベテランです。角谷さんも、鈴木さんと共にいくつもの火力・バイオマス発電所の建設に携わってきました。

「私が、バイオマス発電所の建設に携わるようになって4年ほど経ちました。それまでは長年火力発電所で設備のメンテナンスに従事してきましたから、土地の造成から始める発電所の建設に携わることになった時は、本当に学ぶことばかりで少し戸惑いました。それでも、先輩方が残してくださった発電所の建設ノウハウがあったおかげで、美濃加茂や鈴鹿などのバイオマス発電所を無事立ち上げ、安定した稼働を実現することができました。メンテナンスに携わっていた時は、設備を維持することに注力していましたが、建設現場に入るようになってからは、設備の一つ、柱の一本がどのような意味をもってそこにあるのかをより深く理解でき、新しい視野を獲得することができました」と話すのは鈴木さん。

「いくつもの発電所の建設を行い、安全で安定した稼働を行っている中部プラントサービスの実績は、クライアントにも認められていますね。お客さまからたくさんの引き合いをいただけるのも、過去の建設経験やノウハウによるところが大きいと思います。また、それに加えて、作業の効率化を追求しつつ、安全と品質を確保するという姿勢を貫いたコスト抑制の取り組みも評価されたのではないでしょうか」と角谷さん。

最新設備のそろう現場で求められる「人のつながり」

「発電所には、さまざまな設備や最新の機器が用いられています。ただ、それを安全に設置し、メンテナンス性なども考慮しつつ作り上げていくのに欠かせないのは、意外にも“人と人のコミュニケーション”なんです」と角谷さん。
「バイオマス発電所と一口に言っても、その仕様は現場ごとに千差万別。事前に発電所で使用する設備については確認し、調べていますが、それでも到着した海外製品が想定と全く違うものだったということもあります。そんなときに、現場で働く職人さんに不安を与えることなく、的確に指示を出すのが私たちの努め。他にも、現場には複数の協力会社さんが関わっていますから、彼らがスムーズに動けるよう段取りすることも大切です。現場を取り仕切る者として、こうした手配や指示を的確にすることが、計画通りに工程が進むコツだと感じます。何より職人さんから“ありがとう”という言葉をもらえると、本当に嬉しくなりますね」と角谷さんは語ります。

鈴木さんも「建設作業が計画通りに進むというのは、本当に難しいことです。さまざまな想定をしてもトラブルはつきものです。そこをうまく調整し、イレギュラーが起こればすぐに状況を判断し、限られた建設期間に合わせられるよう調整をする必要があります。そんな臨機応変さと柔軟な判断が必要となる現場をうまく動かしていくためには、人と人のコミュニケーションが欠かせないんですよ」と声をそろえます。

言わずとも通じ合う、兄弟のような関係

「現場とのコミュニケーションも大切ですが、経験の浅い私にとっては上司や先輩との連携も大切です。特に、鈴木さんは私が18歳の時に中部プラントサービスに入社してからずっとお世話になっている先輩です。わからないこと、困ったことはすぐに相談できますし、豊富な知識で応えてくれたり、解決策を一緒に考えてくれたりします。本当に、私にとっては仕事人生のほとんどを共に過ごしてきた兄のような存在であり、最も信頼のおける先輩ですね」と角谷さんは、鈴木さんとの関係を話します。

鈴木さんは「入社当初からずっと成長を見てきましたからね。角谷さんは本当に知識も技術もしっかりと身につけていっています。同世代の中でも特に安心して仕事を任せられます。1を聞いて10を知る、ではないですが、私の言葉の裏を読み、言葉にしなくても的確に動いてくれるんです。反対に私も、角谷さんが今何に悩んでいるのかが言わずともわかる。そんな信頼関係が築けたことも、今までの仕事に携わったことで得た大きな財産ですね」

全国を舞台に、明日の安心と安全をつくる

中部プラントサービスでは、数多くバイオマス発電所の建設を手がけてきました。鈴木さん、角谷さんもいくつもの建設現場を経験しています。

ベテランの鈴木さんは「1年ごとに、違う地域へ赴いている感じですね。初めは不安や寂しさはありましたが、今では地域ごとの文化や景観、おいしいものとの出会いを楽しめるようになりました。何より、その地域に暮らして、そこに住む人々と多少なりとも触れ合うことで、暮らしを支える電力供給の一端を担っていることに、喜びも感じるようになりました」

角谷さんは「安全でクリーンな電力を提供するための発電所建設にはやりがいと使命を感じています。ただ、まだ子どもが小さいので、妻には迷惑をかけてしまっているな、とは感じています。支えてくれる妻には本当に感謝していますし、自分の子どもにとって自慢できる父親であるように仕事を続けていきたいですね」

発電所ができるまでには、一見すると最新技術とは相いれないような、人との関わり合いや、仲間や家族との絆がありました。そのコミュニケーションと信頼があるからこそ、現場従事者は効率的に動くことができ、人々の安全で豊かな暮らしを支える発電所建設にやりがいを感じながら仕事ができるのです。

鈴木 正通さん プロフィール

1999年 火力総合事務所
1999年 碧南事業所 環境設備課
2012年 火力総括部 碧南事業所 環境設備課 主任
兼 人事企画部 碧南サポート事業所 のち主務に昇格
2018年 建設計画部 兼 人事企画部サポート部署
2019年 建設部 武豊建設所 リーダーに昇格
2021年 建設部 西条発電設備建設所
2022年 建設部 美濃加茂バイオマス建設所
2024年 建設部 チーフリーダーに昇格

角谷 拓朗さん プロフィール

2010年 碧南事業所 環境設備課
2012年 火力総括部 碧南事業所 環境設備課
兼 人事企画部 碧南サポート事業所
2019年 建設部 武豊建設所
2021年 建設部 西条発電設備建設所 副主任に昇格
2023年 建設部