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中部プラントサービスの取り組み 第3回

品質保証部

新体系を構築して品質チェックをより高みへ
「プラスα」の取り組みで信頼向上をめざす 【品質保証編】

専門副部長の仲山さんとチーフリーダーの清水さん
さらなる品質向上を目指す。
2018年より新たな「品質検証体系」を構築し「品質保証部」が発足

継続的な改善を図る「品質マネジメントシステム(ISO-9001)や業務の効率化を図る「品質KAIZEN活動」のほか、
培った技術を「次世代へ伝承」することを掲げ品質を高める取り組みを続ける。
品質保証部は、同業他社の中でも先進的な自社での第3者チェックによる施工プロセス・検査プロセスの検証を行い品質向上を図っている。
専門副部長の仲山さんとチーフリーダーの清水さんに、業務内容など話を聞いてみた。

お客さまのニーズに応える品質を提供する検証体系
不適合を防ぐ社内の第3者チェック

仲山さん プロフィール

1980年 入社
2003年 火力本部火力運営部計画グループ 担当課長
2011年 火力本部四日市事業所四日市LNG保修所長
2018年 品質保証部 チーフマネジャー
2019年8月 品質保証部 専門副部長  現在に至る
「品質の知識や現場管理のノウハウが大切」と話す仲山さん
「品質の知識や現場管理のノウハウが大切」と話す仲山さん

「安全と品質は会社の要」と話すのは、入社40年の仲山さん。2年前に品質保証部に配属され、業務はおもに品質に関する管理・パトロールをおこなっている。それ以前は火力発電所タービンの保守・点検業務に長年従事していた。3,600回転の大型機械を1/100ミリの精度で組み立てるには、施工はもちろん、使用する部品のひとつ一つに至るまで品質第一の仕事をしなければいけない。そこで得た知識や感覚などが現在の部署に役立っているという。

ポンプの分解時に作業員の動きや部品などに目を配る
ポンプの分解時に作業員の動きや部品などに目を配る

「メーカーさんと当社の品質管理の目的は同じですが、手法は異なります。当社は長年にわたり使用している機械の分解・点検・修理・組立をご依頼いただきます。その際には機械個体の劣化具合が異なるため、品質維持や品質管理を個別におこなう必要があります。ひとつ一つオーダーメイドで対応していくわけですから“熟練の技”も欠かせません。お客さまが満足するように製品の健全性を保つには、たとえ世界に一つしかない機械でも、分解しながら問題なく対応できる深い知識と技術、そして応用力が必要です。そんなレベルの高い仕事だからこそ品質管理の基本とチェック体制の確認はとても重要だと考えています」

“品質保証部”の体制は、製品になるまでのプロセスをお客さま目線で一丸となって「品質向上」のためのチェックをおこなうシステムになっている。業界内でもこれだけの組織を保有している企業は少ないとのことだが、その品質保証部ができた経緯を尋ねてみた。

「当初は安全部だけだったのですが、品質への重要性を社内でも認識するようになり、のちに安全・品質保証部となりました。それまで二つの機能をもつ部署でしたが、2018年より、2部署に分かれ、安全推進部は社員・協力会社などを対象として災害防止活動をしており、品質保証部はお客さまにむけた品質保証活動をしています。それぞれの組織により一層管理体制を強化し、社内には、さらなるレベルアップ、お客さまへは、より高い価値を提供できるようになりました」

品質保証部は、「品質マネジメントシステム維持・管理チーム」「品質検証チーム」「品質パトロールチーム」からなり、お客さまの声を反映し設けたのが「品質検証チーム」。自部署だけでのチェックでは、万が一チェック漏れやデータの改ざんが発生しても気づかない恐れがある。品質に万全を期すため、社内に第3者チェックを行える体制を整備したもの。作業の効率や基準のバラツキなどを社外の調査機関のような厳しい目をもって指摘し、設計から出荷までの製品づくりの流れを検証していく。

指差呼称でゆっくり丁寧に確認
指差呼称でゆっくり丁寧に確認

評価が記載される“品質管理チェックシート”の活用、工事作業中に“抜き打ち”でパトロールをすることなど、品質向上につながる「確認」を習慣づける。お客さまの期待に応えるために、日々意識を磨く。

正確性を生み出す教育への熱意
品質不適合は減少傾向

「正しい基礎」がつくられているか、水平器で確認中
「正しい基礎」がつくられているか、水平器で確認中

社内では、故意に不適合を組み込んだ模擬装置を独自に製作して、異常を見つけ出す感覚を養う「感受性教育」を取り入れている。異常な状態がどこにあるのかを「見つけ出す感受性」と「能力」を向上させ、現場での不適合防止や異常箇所発見に活かす。
「配管、電動機、ポンプ、バルブ、分電盤の各模擬装置には約20箇所の品質不適合が隠されています。かんたんに言えば、すべて見つけないといけない間違い探しです。現場に行く監督者や作業者はこういったことがわからなければ『いざ』というときに役立ちません。このような装置で徹底的に教育する取り組みは関連会社にはあまりないと思います」

また、現場での「品質管理教育」では、現物で作業する人に直接指導や助言をすることで不適切行為の未然防止などを教育している。測定器が適正に使用されているか、異物混入の防止をしているかなど、現物で確認。人材開発センターでの階層別教育でもくり返し指導をおこなう。

品質保証部としてのやりがいは?
と聞けば「品質不適合の発生がなく、お客さまに喜んでもらえること、現場の同僚から品質保証部が確認してくれて助かった。なんて声をかけてもらえたりするとやっていてよかったと思いますね」
今後実現したいことは?と聞くと
「品質不適合の発生件数がゼロになり継続すること」と話す。

徹底した教育はこの品質への意識にも表れている。

人材育成の品質管理教育で使用する「模擬装置」
人材育成の品質管理教育で使用する「模擬装置」
約20箇所の品質不適合がある「分電盤の模擬装置」
約20箇所の品質不適合がある「分電盤の模擬装置」

「機械に使われるのではなく、機械を使って一品一品に匠の技と気持ちを込めて仕上げているのが会社の特徴です」 会社の自慢は「新しいことにチャレンジする姿勢」とのこと。たとえば、他ではメンテナンスを断られるような独自性が高い大型の機械でも自社の技術で対応可能な場合は、全社一体となって対応する。また、近年では自社でバイオマス発電所を建設し運転・保守・点検までおこなっている。次世代には、そんな姿勢で培われた「蓄積された技術力」ともうひとつ、「品質との絆」がずっとつながっていくだろう。

検査員を検証する第3者の目線
現場人と違った目線で厳しいチェック

清水さん プロフィール

1994年 入社
2013年 原子力本部浜岡総括事業所技術部放射線管理グループ 担当副長
2019年7月 品質保証部 チーフリーダー
「第3者チェック」で検査プロセスを検証する
「第3者チェック」で検査プロセスを検証する

今年の7月に「品質保証部」に配属になったチーフリーダーの清水さん。
入社から一貫して原子力発電所の放射線管理の業務をおこなってきたという。
現在の業務は、おもに「検証員」として検査プロセスをチェックする重要なポジションについている。
「品質検証はまず、さまざまな文書から、お客さまの要求事項を確認します。
そして、実際の出荷前の検査に立ち会い、お客さまの要求が満たされているか、検査が適正であるかを第3者目線で検証します」

汎用品ではなく特注品のみ検証する
汎用品ではなく特注品のみ検証する

どんな技術を持った人材が集まっているのか。
「偏った知識や経験だけでは対応できませんから、様々な工程や機械に精通し、図面と施工状況共に確認・管理ができる人など、社内でも経験と高い能力を持った人が集まっていますね」
現場管理、現場監督の経験が豊富な人が「検証員」となり、購買・外注品における「出荷前検証」や工事施工における「プロセス検証」をおこなっている。

「手を抜かず、わからないことはすぐに調べること」と話す清水さん
「手を抜かず、わからないことはすぐに調べること」と話す清水さん

「図面や検査数値から不具合を読み取るには経験や知識が必要です。
私も前の部署でかなりの経験を積んでいますが、品質保証部で1人前になるまでには多くの経験が必要です。そのため他のメンバーの知識や経験を吸収していき、お客さまや社内から厚い信頼を獲得できる人材になっていきたい」と話す清水さん。
今後の業務に意欲を見せる。

組織としても個人としてもより高みを目指す二人。今日も品質を守り、品質を高める要として活動してくれている。

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