中部プラントサービスの取り組み 第2回
人材開発センター
災害リスクを減らし「現場」を支える安全と品質をつなぐ人材育成 【安全編】
日々、私たちの現場には見えない危険が隠れている。
当社では危険を体験することで学ぶ「教育施設」を完備して安全を確立させる「意識の徹底」と「管理体制の構築」に取り組む。 また、質の高いプラントサービスを提供するうえで「安全」と「品質」のつながりを実現する「人材育成」に注力している。
伊藤さんプロフィール
1979年 | 入社 以降、火力発電所の現場で36年にわたり、電測・計測、安全・品質保証を担当 |
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2015年 | 技術本部人材開発センター リーダー 現在に至る |
危険に対する感受性を高めて身を守る。そして品質を守る
「安全と品質はつながっているんです」と、人材開発センターの伊藤さん。 「危険疑似体験教育」で新入社員などに指導する立場のなかで、最終的に知ってほしいことだと話す。
義務化されたフルハーネス安全帯と胴ベルト型安全帯での比較実験。
現場で起こりうる危険な事例を「痛み」や「爆発音」などを実際に体験する教育は、現実的かつ効果的な記憶法だ。身を守ることを大前提とし、安全への意識を高め徹底させる。そして、「労働災害ゼロ」を目指し、安全活動を着実に実践できるよう、徹底した研修がおこなわれている。
現場では、ひとつひとつの作業を正確に丁寧にできなければ「事故」は起こる。人も設備も被害を受け、二次的災害で「機械を止める品質トラブル」という大きな被害に見舞われるリスクもある。その点で「安全と品質」はつながっていることの認識をもってもらい、忘れてはならない「初心」として教えている。 安全に対する教育は、品質への「想い」でもある。
「現場監督」を3年間で育成する一貫した教育システムのキャリアプラン
入社からの3年間で、「危険疑似体験教育」や、スチームタービンの分解や点検研修など豊富な実習機材を備えた「技術教育訓練」などをおこない、計画的に人材育成していく「キャリアプラン」を採用している。
そして信頼できるサービスを提供するため、技術的な知識を身につけた社員が、自覚と自信をもって「現場監督」へのステップアップを図る。
現場でのOJTを基本に、コミュニケーションやリーダーシップ研修など充実した研修カリキュラムを用意し、階層別研修を実施している。さらに、技術や知識の習得のために自己啓発の支援も積極的に取り組んでいる。
「この規模の訓練施設をもっている企業はめずらしいと思います。先日もまったく業種の違う企業様から危険疑似訓練体験を社員に受けさせたいとお声がけをいただきました」 基本的には対外的なサービスではないため、要望に応えることができるのはごくわずかだが、質の高い教育をおこなえる場というのは、どんな企業にも求められることのようだ。
伊藤さんは、 「訓練を受けた人が毎日元気な姿で家族の元に帰ってほしいという気持ちが一番強いですね。」 と話す。質の高い教育をおこなえる場が存在しても、それを伝える人の想いによって、成果には大きな違いが出る。
安全と品質のつながりを知る現場監督が、今後も現場を支え続けてくれるだろう。