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中部プラントサービスの取り組み

技術開発センター

現場の声を集めたゼロからのモノづくり
工期短縮・作業効率向上を実現する「技術開発」

「現場」に軸を置き技術開発を進める。

作業の効率化や品質の向上、安全の確保など「現場を知る」開発者が手掛けた自社開発品は、他社からも問い合わせがくるほど評価が高い。
作業効率化とコストダウンを最優先に考え、努力を重ね知恵を絞る技術開発センター専門副部長の加藤守孝さんに現場の声を活かした「技術開発」について聞いてみた。

加藤さん プロフィール

1994年 入社
2004年 技術開発部 担当課長
2015年 技術本部技術開発センター 所長
2019年5月 技術本部技術開発センター 専門副部長  現在に至る
保有資格:技術士(機械部門)

「使いやすい」という現場からの反響。
地道な活動が取り巻く環境を変えた

機械・装置の設計を専門とする、技術開発センターの加藤さん。技術開発は、現場を調査したうえで、要望に応える場合と、作業工程上の不具合を洗い出し改善を図る場合の2つがある。その視点から、「作業効率やコストダウンはもちろん、どうすれば現場の人にとってよりよい環境を創り出せるか」をイメージし、白紙の状態から設計に取りかかる。

「昔は外注で設計することが多かったんです。でも今は現場からの声を聞いて、自社で設計するものがほとんどです」

開発する機器や装置は、図面なども含めて自社で作成し、部品の機械加工は専門業者へ外注する。開発は主に1人で担当、構想・設計・試験まで一貫して行い、実際に使いながら改良していく。1年間で1製品、多いと3製品を1人で開発する。開発構想から製品化まで自社でできるレベルになり、工程の大半を外注作業に頼っていた過去とは明確な違いができている。

フランジの閉止作業時間を大幅に短縮した「Zキャップ」 など多くの機器が生まれ実際の現場で活用されている。

自社開発の一番のメリットは、「レスポンスの良さ」と「きめ細やかな働きかけ」だという。
モノづくりには、当然ながら修正や手直しなどが入る。
外注の動きには限度があり、フレキシブルな対応を求めることはできない。しかし、自社開発の場合は現場に足を運んで自ら見聞きしたものを即座に反映でき、現場で使用するときに、最も適した形での提供が可能になる。たとえば、機器を現場へのもち運び可能なサイズで納めたり、市販品で消耗品交換が可能になるよう開発した「使いやすさをより追求した装置」を開発したり、手直しも早急に対応できる。

最年長となった今も現場に寄り添った開発を続ける。

「20年前とくらべると大きく変わりました。当時は取引先からの受託研究と社内で使用する治具などを開発していた程度です」
今ではご指名で相談を受けることもあるそうで、
「この部署で業務を始めたころは現場から相談を受けるなんてことはなかったんですけどね。今では何かあったときは技術開発部門へ、という流れに変わってきました
開発品を現場に持ち込んで試用してもらう時には、「開発品の悪い話」ばかりを集めることにして、改良に役立てている。今も現場に行けば、現場を歩き回り困りごとを解消することで信頼関係を築く。単純なことだが「何かあれば技術開発センターへ」という声が多いのもうなずける。
自社での開発は、自分を取り巻く環境が変わるターニングポイントにもなった。

「現場監督」の経験を活かした設計ができる人材
作業効率向上コスト削減になる単純作業の機械化も

「現場監督」の知見があれば外注先と協力し、ある程度の開発はできる。
ただ、それだけでは「技術力」が伸びない。
「なんでも興味をもち、やってみて感覚で覚える」、この積み重ねが大切。技術開発部門では何よりも「やる気」を大切にして、のびのびと経験を積ませながら、失敗を恐れることなく粘り強くチャレンジする人材育成を心がけている。
現在は10人ほどのメンバーが活躍している。

後継者にはいろいろな経験をして「技術開発」に活かしてほしいと語る。
メンバーの世代も20代から40代までまんべんなく配員されている。
技術開発は主に1人ですべてを担当しているため、「やりがい」「達成感」は大きい。しかし、そこに到達できるまでの時間は長く、図面作成や機械に関する知識など幅広く学び、現場監督の経験と結びつけられる一人前になるには10年近い年月を必要とする。
現在、メンバーはすでに技術開発の第一線で活躍する人と育成中の人がバランスよく半々くらいで所属している。

「当社の強みは、技術開発者自身に『現場監督』の経験があることです。
現場で実際にどう使われているのか、イメージしながら設計できるのは『技術開発』に大きく影響します」
現場やお客さまの声に対しても、設計者と現場監督それぞれの知見をもち小回りが利く人材がいることは大きなメリット。少しの改良や改善にも気を配る。
「もっと安くできない?」と言われれば「業者さん探しもやりますよ」と笑う。試作品をつくり、現場やお客さまの元へも開発担当者がトラックに開発装置を載せて運び、現場に据付け・試運転するケースもあるという。

ボルトを自動で磨き上げる「La-閃技」。
1本のボルトを磨くのに60秒かかっていたのが10秒で仕上がる。
しかも、手作業だと仕上がりにばらつきがあるが同じクオリティで仕上がる。ボルト数の多い機器では作業効率に大きな差が出る。
安全に、かつ無駄を省きコストカットにつながるなら、企業も導入に前向きになってくれる。

技術開発にかける想い

製品化した「商品名」は担当者が決める。
趣味や名前などから自由に命名しているそうだ。

知識だけでなく、お客さまである現場の声を開発機器に反映させるのは、なかなか負担が大きい仕事に思えるが、
「今までにないモノをつくるので、0を1にも2にもしないといけない。これはすごく難しいですね。ただ、休日でもアイディアが浮かぶと、図面化するためにすぐ会社に行きたくなるんです。当社でいちばん楽しい部署だと思っています(笑)」
技術開発センターは、保守に向けた技術開発支援、作業効率を上げる装置や治具などのモノづくりを手がける部署。機械や電気の知識を、広い範囲かつ応用可能なレベルで習得したオールマイティーの人たちが集結している。

「これは持論ですが、単純作業は積極的に機械化を進め、作業の効率化につなげ、複雑で難しい作業は、人の技能を活かすために手作業がいいのではないかと考えています」
自社にとっても、取引先にとっても頼もしく心強い存在で、今日も現場の声を集めて技術開発を続けている。

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